2014年7月28日月曜日

<話題>うちの息子は「弟」なんです。 ~不妊治療をめぐる議論~

 こんにちは

 江戸期から戦国までなんでも収集癖のある当ブログですが、こと「家」と「家族」「家系」については、いろいろと考えてしまう大塚某です。

 今朝はyahoo!!ニュースがらみでもこんな話題が



 『義父の精子で誕生118人、体外受精で79組が出産』(ニュース)
 http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140728-00000019-ann-soci



 元ネタはテレビ朝日さんのようですが、概略はこう。



①不妊治療をしているカップルのうち、男性側に問題がある場合も多々ある。

②その場合、体外受精をして子を授かることもできるのだが、一般的には「父親は誰か不明」

③そうじゃなくて合意の上で「夫の父親の遺伝子」を使って体外受精をする実例が明らかに。



 事実関係は、ここまでです。


 さて、ここからが議論の対象ですね。


<議論1>

 まったく見ず知らずの「実の父親の遺伝子」を提供されるより、家族として血縁が繋がっていたほうがいいのではないか?いや、どうなんだろうね。という議論。


<議論2>

 お父さんの遺伝子を受け継ぐということは、結果的に「実の子供は腹違いの弟」になってしまう。それが家族関係を形成する上でいいのか?いや、どうなんだろう。という議論。



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 実際問題、当事者が悩みに悩みぬいたすえ出す結論ですから、その状況になっていない「私」や「あなた」がとやかく言うことはできません。

 まったくの他人の遺伝子が用いられることにも、何らかの不安や不満があるでしょうし、家族関係がややこしくなるということももちろん正論です。

 
 というわけで、ここからは歴史に学んでみることにします。

 


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<実例その1> うちの息子は”おじさん”なんです。 ~崇徳天皇の場合~

 第76代天皇となった「崇徳天皇」。そのおとうさんである「鳥羽天皇」に着目してみましょう。


 鳥羽天皇からみて、おじいさんが「白河天皇」、おとうさんが「堀河天皇」です。で、息子が「崇徳天皇」。


 ウィキペディアより 崇徳天皇
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B4%87%E5%BE%B3%E5%A4%A9%E7%9A%87



 ところが、この鳥羽天皇は、息子のことを毛嫌いします。言うにことかいて「叔父子」と呼んで嫌っていたというから驚き。

 というのも、どうやら、鳥羽天皇からみておじいさんの白河天皇が、まごの嫁に手をつけて出来たのが「崇徳天皇」らしい、ということで、

 ヤフーニュースどこの騒ぎではありません。もうひとつ世代飛び越えてます。


 崇徳天皇、のちの崇徳上皇は、天皇時代・上皇時代とも不遇の生活を強いられ、最終的には保元の乱により流罪、そして


 日本最強の怨霊


として、末代までわが国を祟ることになるのです。たたりじゃ~!!!


 あの明治天皇も、昭和天皇も、崇徳院の霊を慰めるために、儀礼を執り行っています。


 ちなみに、日本三大怨霊といえば。

 「菅原道真」「平将門」「崇徳上皇」の三人です。

 道真は、いち官僚。将門は、関東一円を治めて「新皇」止まり、崇徳院はなんといっても「天皇」ですから、最強と呼ばれるのも頷けます。


 まあ、歴史上そんな事件があった、ということで。




 

<実例その2> 戦国期の体外受精 ~豊臣秀吉の場合~


 
 体外受精といえば、この人のことを忘れてはいけません。今をときめく黒田官兵衛ちゃんの上司にして


 竹中筑前守直人


こと、豊臣秀吉です。


 秀吉にはやたら養子がいて、どうも実子が少なかった?あるいはいなかったのではないか?という説がたくさんあるほど、秀吉本人は


「男性不妊で悩んでいた」


ようです。


いちおう、実子は、「秀勝」「女子」「鶴松」「秀頼」の4人いたことになっているようですが、秀勝にいたっては「そもそも存在しない説」があり、鶴松は2歳で死去(数え三歳までに死去)、秀頼だけはご存知の通り大阪城にて自害することになるわけです。


 まあ、詳しいことは、いろんな方がブログで書いておられますのでご紹介しておきます。


 元ネタはあの山川出版社から2012年に服部英雄さんという学者さんが出された説ですが、簡単にいえば




「淀君は、祈祷師ASUKA(仮名)を呼んで、秀吉がいない間にあんなことやこんなことをしたらしい」


説です。SAY YES! これを戦国期の不妊治療と申します。



武将ジャパンさんのサイトより
http://bushoojapan.com/scandal/2013/10/08/7199



歴史ニュースウォーカーさんのブログより
http://d.hatena.ne.jp/emiyosiki/20121231/1356925654



さわらびTさんのブログより
http://blog.livedoor.jp/sawarabiblog/archives/52086623.html




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 このように歴史から学ぶと、実子ができないのに、それを作ろうとする行為は、どうやっても



禍根を残す



ことになりそうですね。


 これまた歴史から学びたいところですが、血縁無関係の「養子」制度の拡充のほうが、よっぽど健康的な感じもします。

 実際、おそらく日本中のすべての家系で「無血縁の養子」が取られていることは疑いがありません。

 すべての家でDNAが途切れていることをもってすれば、通常「養子」にも意味があるような気が。










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