いよいよ、大団円に向けてはじまった「大塚家」のミステリー解決編。今回も、最終章にふさわしい、謎とミステリーと不思議満載でお届けする。
まず、最初の”ミステリーふしぎ発見!”はこれだ。
当家の敷地にあるお墓の件は、既に
”<64>『新事実発見!』 大塚家300年の歴史を辿る”
http://samurai-otsuka.blogspot.jp/2014/05/blog-post_4461.html
の回で述べた通りである。
これが正徳3年のものであることも既出なのだが、前回は個人名のこともあるので、戒名は伏せて記事に書いていた。
で、今回すこしだけチラ見せするのだが、この亡くなった子供の戒名に
”誉”
の文字が入っていることがわかっている。
そして、今回新たにお伝えするのだが、これとは別に女性のお墓も存在していて、そちらは宝暦7年のもので、
”釈”
の文字が入っているのである。
ついでにもうひとつ。別の女性のお墓があって、こちらは年号が読めないのだが、
□□四亥年
と刻んであり(「明和四年亥」「享保四年亥」「宝永四年亥」などが考えられる)、そして
”誉”
の文字が入っている。
もう、この時点でたいていの人は「ぽっかーん」と口を開けて「なんのこっちゃ」と思っておられることと思うが、これがすごいミステリーなのだよワトソン君。
(ホームズのりうつる)
「いいかい、よく聞きたまえ。「誉」という文字は、現代でもそうだが「浄土宗」の門徒に与えられる戒名なのだよ。そして、おかしなことに「釈」という文字は、「浄土真宗」の門徒に与えられる戒名だ。ということは、この家には「浄土宗」と「浄土真宗」の2つの宗派の戒名が並列で存在していることになるんだ」
「・・・変だろう?たとえばこういうことは聞いたことがある。あまりいい話ではないが、たとえば夫の家の宗派に嫁が入れてもらえず、ああ、まあ一種の男尊女卑だな。で、そのせいで夫婦が別のシステムのお墓になってしまう事例があったりするそうだが、この家の場合はどうにもそれも当てはまらない」
「だって、そうじゃないか。いいかい?まず子供の戒名が「浄土宗」で、女性のお墓に「浄土宗」と「浄土真宗」があるわけだ。そして、この家の現在の宗派が「浄土真宗」。この3つのお墓の年代は、基本的にすごく近い。男尊女卑なら、子供と女性でおなじ宗派のものが存在することが変だろう?」
「年代ごとに並べてみると、この謎をとくヒントがあるんだよ。ひとつだけ正式な年号がわからないお墓があるんだが、正徳が一番古く、宝暦のほうが新しい。もうひとつのお墓は、おそらく正徳より前か、もしくは正徳と宝暦の間ということになる。そして、宝暦のお墓が「浄土真宗」だ」
「ということはつまり、だ。宗門改めによって農村の人々は特定の寺の檀家(名簿)に結び付けられたんだが、この家では、正徳前後と宝暦以後で「所属していた寺が違う」という可能性があるわけだ」
そんなことが本当にあったのか?!
・・・・・・それが、あったのだ。このお墓の状態が、ある寺の歴史的事実と合致したのである。
当家のお墓に2つの宗派の戒名が並ばなくてはならなかった事情とは、いったい何か?!
まて次回!
(この章まだ続く)
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