さて、いよいよ推理小説のクライマックスのような展開になってきた当「俺ん家コード」ブログであるが、ここに来て登場した
大塚隠岐守
とは一体何者なのか。果たしてこの人物は、本当に「私のご先祖様」の可能性があるのか!
・・・・・・実は、この人物、このブログでは既出の武将であることは、当ブログファンの皆様ならすでにお気づきに相違ない。
出てきたのはここ。
<65>北肥戦誌を読む 第一回
http://samurai-otsuka.blogspot.jp/2014/05/65.html
この時、大塚氏について列挙した一番最後に「神代長良の家臣、大塚隠岐守」として登場しているのである。
先にも書いたが、神代氏はもともと久留米の高良玉垂神社の神主の家系である。ということは、この大塚隠岐守は、「筑後・久留米周辺の大塚氏」であった可能性が高い。
そして、高良玉垂神社(ただし、末社)は、わが大塚家の村の神社でもあり、我々はその氏子でもある。
その神代氏が、諸事情で佐賀へ逃れており、少弐氏の家臣になっていたところ、おなじ少弐氏の家臣であった龍造寺が権力を握り始めたせいで、神代長良と龍造寺は一時交戦状態になるわけである。
==========
「北肥戦誌」を読んでみよう。
神代長良が龍造寺隆信に攻められて負けそうになり、自害ししようとした時、
「大塚隠岐守以下の家人共も、様々制して『早く御落あれ』と勧めたので、長良も承知して自害を思い留まり、主従二十人ばかり北小門よりお出になった」(北肥戦誌より)
と、神代長良を逃がした家臣が大塚隠岐守である。このあと、長良と家臣は散り散りバラバラになって逃げるのだが、最終的に神代長良は龍造寺の家臣になるので、大塚隠岐守もそれに従った可能性はある。
(そのあと大塚隠岐守がどうなったか、北肥戦誌には記載がない)
==========
時系列を追ってみよう。この長良脱出成功事件は、「永禄8(1565)」のことである。
永禄8年(1565) 大塚隠岐守 神代長良を脱出させる。
元亀2年(1571) 以降、神代長良は龍造寺家臣となる。
天正5年(1577) 龍造寺家臣のR和尚が出家してX寺を創建。
天正9年(1581) 蒲池鎮漣(34歳)・玉鶴姫殺される。
天正9年(1581) 神代長良 死去(45歳)
天正12年(1584) 龍造寺隆信 死去(55歳)
※公的記録上では、R和尚がX寺を建てた年と、蒲池が殺された年が入れ替わっていて、話のつじつまがあわない。
R和尚は蒲池と玉鶴姫のために出家したという伝承になっているからである。
しかし、この差4年であるので、ここはとりあえず「同じ時期」と見ておこう。
そして、上の年表をよく読むと、「蒲池事件が起きたのと、長良が死んだのが同じ年」であり、それから「龍造寺隆信が死んだのもそれからたった3年」であることから、
大塚隠岐守が、神代長良のことを思いながら、龍造寺家臣から離脱し、筑後に帰ることは、十分に成立する
ことがわかるのである。
時に、大塚隠岐守が、長良より年上の家臣だったとして、天正9年時点で最大55歳程度、年下の家臣だったとして、最少35歳程度と想定できる。
いずれにしても、蒲池事件の際、大塚隠岐守は
完全に同時代を生きた人物
だといえるのだ。
==========
さて、同時期にB村に住み着いた「古賀伊豆」なる人物のことも忘れてはならない。九州には今でも「古賀さん」が多いのだが、この古賀姓の由来について
日本の苗字7000傑さんのサイトより
http://www.myj7000.jp-biz.net/q&a/kikajin.htm
筑後国氏族譜さんのサイトより
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/1235/shizokufu.html
面白い伝承がある。
上記2サイトを参照してほしいのだが、古賀家の家伝では
『先祖は漢の高祖の末裔で、劉氏である。日本に帰化してはじめは甲斐の国に住み、それから筑後三潴郡古賀村に来て『古賀姓』となり、江上氏・龍造寺氏に仕えて、その後佐賀鍋島氏に仕えた』
となっている。
これも、話ががっちり合う。
三潴郡古賀村は、現在の柳川市領域で、これも筑後の氏族ということになる。
つまり、わかっている限り、神代氏も古賀氏も「久留米・柳川」に住んだ一族の系列であり、とすれば、「大塚隠岐守」も同系列と推定できる。
また、筑後が本拠地だったからこそ、龍造寺氏からの離反のあと、「筑後(それもより狭い範囲で言えば三潴)に戻ってきた」ことが推定できるのだ。
そして、筑後系・神代・古賀・龍造寺といった一連の点と線をつなぐ中心地点は、やはり
少弐氏
であると言わざるを得ない。
神代も龍造寺も、少弐氏の家臣から出た。もちろん、古賀氏も少弐氏家臣団にいる。そして、筑後の大塚氏は「少弐の末裔」であることが示されている。
そうなのだ。あとは最後の問題をクリアさえすれば、すべての点と線は合致するのである。
(この章さらに続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿