ブログ更新したかったのだが、小忙しくて今の時間となった。
さて、まずはご報告から。・・・ふふふ、ははは!ついに買ってしまったのである。
じゃじゃーん!「福岡藩分限帳集成」である。
当ブログのコアなファン以外には、まったくもってなんのこっちゃ?、な書籍だが、じゃじゃーんと言いたくなるには理由がある。
だって定価が23,000円(+税)もするんだもの!
そのため、貧しいワタクシには、「ああ、これは絶対買えない」と諦めていた本だったのだが、幸いなことに中古でかなり安く買うことができた。ご先祖様のおかげ!
さて、この本、市販の分限帳系書籍の中では、かなり丁寧に編集してあり、さすがは藩分限帳界のフェラーリみたいな値段がするだけのことはある。かなり中身が詰まっているすばらしい本だ。
おまけに、今をときめく「黒田官兵衛」の福岡藩の分限帳であるから、あんな名前やこんな名前が載っていてかなり楽しい一冊!(笑)
家系研究においても、いろいろ役に立つ情報が載っており、この本にまつわる研究結果はおいおい紹介してゆきたいが、今回はネタをひとつに絞ってお届けしようと思う。
それは、「未解決事件になっていたあの謎」について、解決の糸口が見えてきたのである!
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その謎とは、久留米藩の略系譜に出ていたとある「大塚氏」の一氏、「家紋 碁石」の大塚氏についての謎である。
おさらい 当ブログ<40>碁石の謎の回
http://samurai-otsuka.blogspot.jp/2014/02/blog-post_17.html
上の記事で「碁石紋」の大塚氏について知ってからというもの、家紋に詳しい方に尋ねたり、古い家紋帳を読める立場にあった方にtwitterでお願いしたりして調べてもらったのだが、いっこうに
碁石紋なんてみつからない・誰も知らない
状況が続いていた。それが、ちょっと面白い展開になってきた。みなさんも推理力を働かせながらわくわくしてほしい!
「福岡藩分限帳集成」にはいくつもの時代の分限帳が収録されているのだが、その中に「安政分限帳」というものがある。
この安政分限帳だけには、各藩士の名前のところに「家紋」の記載が記されている。家紋の書き方は基本的に文字での紹介で、たとえば「蔦紋」とかそういう風に文字で載っているので家紋の絵が描いてあるわけではない。
しかし、文字で表現できないもの、特殊なものについては「絵」で描いてある。 そこでこれを見てほしい。
安政分限帳に唯一載っている「大塚氏」がこの「大塚六之助」なのだが、家紋は上記のとおり絵で記載されている。
この絵は、◇がタテに3つ、よこに2つ並んだ形状になっている。この紋の名称がわからないので、筆者は絵で描いたということになる。
この絵を見て、ピンときた!
ん?これはもしや!あやしい!あやしいぞ!
というわけで、まずは
家紋市場さんのサイト
https://x181.secure.ne.jp/~x181007/kamon/goodslist.cgi?in_kate=15-1220
を見てほしい。 そうなのだ、◇や■は、基本的に「石紋」という名前になっている。
https://x181.secure.ne.jp/~x181007/kamon/goodslist.cgi?in_kate=15-1220&in_start=20&max=
並びは、ふつうに横にならぶものもあれば、安政分限帳のように「ななめ配置」になっているものもある。
しかし、共通して言えるのは「しかくは石を示す」ということだ。
おなじみ播磨屋さんの解説では、この石はもともと石畳の敷石のことらしい。
播磨屋さんのサイトより
http://www.harimaya.com/kamon/column/ishi.html
そのため、敷石と碁石とでは、本質的には乖離があるのだが、「石紋」ということで解釈が変動していることは十分考えられまいか。
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つまり、こういうことだ。安政分限帳に載っている大塚氏の家紋は、本来
「五つ石」
ということになる。
そして、囲碁は石を垂直方向・水平方向に並べてゆくゲームであるから、上下左右方向に配置された石の紋を「碁石」に見立てることは容易い。
そこで、当時の者達は「五石(いつついし)」を「五石(ごいし)」 と見立て、そこから「碁石」の紋としたのではないか。
これなら、形状の面でも、呼び名の面でも合致する。さらに、こうした見立てが背景にあるから、全国共通の「碁石」紋という名前が無いことに繋がるのではないだろうか。
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そして、もうひとつ、興味深いことがわかる。
たしかに仮説ではあるが、つまりこうだ。
もし、安政分限帳の大塚氏の家紋が「碁石」で合致するのであれば、
福岡藩の大塚氏と久留米藩の大塚氏に共通の一族がいる
ということである。
実に面白い。
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