2014年4月4日金曜日

<47>”郷士”とは何か

 ここのところ、全国の大塚氏についてばかり目を向けていたので、久しぶりの我が家ルーツ探しの旅であるが、今回は何度も原点に帰りながら考察を掘り下げてみたい。



① まず、我が一族の自宅は福岡県三潴地域にある。これは既出。


② そして久留米藩の武士であったという伝承を持っているが、当然久留米城下に住んでいるわけではない。これも既出。


③ 戸籍謄本を見る限り、いちおう先祖代々(どこまで遡るかは別にして)おなじ住所に住んでおり、既に述べている「大塚喜平次」も、その息子(わが曽祖父)も、おなじ住所に住んでいる。これも既出。


④ 知る限り我が家は農家ではなく農機具など持っていない。父の伝承によれば「うちはずっと地主であり、ここらへんの小作者から年貢をもらっていた。戦後の農地改革で土地を切り刻まれて小作者達に分配することになった」と聞いている。
 
 よって「地主」もしくはそのような立場にあった家だということがわかる。


⑤ 祖父の最後の職場は南満州鉄道であり、中国で終戦を迎えている。


⑦ 曽祖父について父が不思議な伝承を持っている。

 小さいときに村の老女に「あんたはどこの大塚さんやね」と尋ねられ「大塚■■」と父の名前を言ったが老女は、よくわからないような顔をしたので、「大塚▲▲の孫」と祖父(つまり喜平次の息子)の名前を言うと、「ああ、村長さんとこのお孫さんか」と納得してくれた。

 というのが父の記憶なのだが、私が調べて見る限り該当地域で大塚▲▲が村長をしていた記録が見つかっていない。


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 以上のようなことから、漠然とながら、「わが大塚家は、とりあえず旧家で土地を昔はたくさん持っていて、戦後没落した村長さん的立ち位置の家」(苦笑)というイメージを抱いていたのだが、これらを総合して考えると、


いわゆる城詰め武士の子孫というより「郷士」に近かったのではないか、と推測することができる。


 さて、郷士とは何か。

 ウィキペディアより 「郷士」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B7%E5%A3%AB


 簡単に言えば、農村に領地(支配地)を持っている家臣であるが、城詰め藩士とは身分が異なる者、といえようか。

 もちろん、久留米藩にも郷士身分はあったようである。


 郷士の身分や立ち位地については、「坂本竜馬」が好きな人ならすぐにピンとくると思うが、いわゆる武士の身分の中では、一般藩士より低く、土佐藩では上士・平士・郷士(下士)の身分差別が激しかったと言われる。

 一般論としての郷士は、下士に当たると考えていいのだが、このあたりも現在調査中だが、郷士の中にも「上士格」の者がいたり、ややこしい。

 
 そのあたりは「郷士」の成立過程とも密接に関わってくる。ウィキペディアによれば、


①戦国時代に士分であったが、江戸期に藩士でありながら在郷領主として活動した者


 A 戦国期は兵農一体だったため地元の豪族(豪農でもある)が藩士身分となり、藩主の影響下で直接自分の領地を支配した場合

 B 元の主君が滅びたため、帰農した実力者が新しい主君に取り立てられる形で藩政に組み込まれた場合


② 元は士分でなかったものが、士分に取り立てられた場合。


③ 元は藩士であったが、家禄で生活できず農地で営農するため郷士に身分を下げた場合。


④ そのほか特殊事情


と考えることができる。


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 久留米藩郷士については
 
 「久留米藩浪人制度と「国恩」の論理」 吉田昌彦 (九州大学)
 http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/8643/scs07pa021.pdf#search='%E4%B9%85%E7%95%99%E7%B1%B3%E8%97%A9+%E9%83%B7%E5%A3%AB+%E9%A6%AC%E5%BB%BB'


 が面白かったので紹介しておく。


 というのも、久留米藩士の系図を見ていると、世継ぎがなかった場合に養子をもらうのだが、その欄に「実は浪人誰それ」と書いてあることが多いのだ。

 「なんぼ跡継ぎがいなくても、浪人を入れるというのはどないやねん。誰でもいいのか」

とその時は思っていたのだが、浪人=郷士格と考えるとなるほど納得がいく。

 言い方は悪いが、「現状の身分上、藩士ではないから浪人扱いだが、家格や筋が良い者」として跡継ぎに引っ張ってきたとすれば、話が合う。

 郷士身分の者からすれば格が上がり、断絶の憂き目にあった家からすれば、「なんとか格好がつく」形で「浪人」を跡継ぎにした、ということなのであろう。



 というわけで、久留米藩と郷士の関係については、まだまだ調査続行!


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