2014年3月15日土曜日

<おまけ>密室トリック?! 誰にも気付かれずに”消えた”あいつを追え!  

 いやあ、今回はなかなか「大塚不思議発見! この子誰の子あなたの子スペシャル」ですよ!

 毎回、ルーツ探しはミステリーの連続なのですが、なんと明智小五郎も真っ青の密室トリックが起きてしまいました。


 ただ「大塚さん」について調べているだけなのに、何があったんだ?!と驚かれることと思いますが、私にも思いもよらないあんなことやこんなことが起きてしまったのです!


 ・・・・・・はあはあ。まずは、ちょっと落ち着いて。気を取り直していきましょう。

 

 今年1月12日の当ブログ記事

「あなたの大塚は”大塚”ですか?」
http://samurai-otsuka.blogspot.jp/2014/01/blog-post_5376.html


でお伝えした通り、私の苗字「大塚」には「、」が間に入っている”大塚”なのです。

 という訳で、もちろん戸籍も住民票も全部”大塚”になっているのが当然だと思っています。このことを私は、自分で勝手にそうしたわけではなく、父親から、


「うちの塚は旧字なので、本来は「てん」を入れて書かなくちゃならないんだよ」

と教わっていて、そして実際公文書もそうなっているので何の不思議も感じていなかったのです。



 ここで、漠然とみなさんも思うことがあると思います。


「ああ、古い時代には旧字を使っていて、その名残で本来は”てん”の入った塚なんだなあ」

と。


 よく似た事例に「斉藤さん」なんかもありますね。斉藤と略記しますが、実は「齋藤」とか「齊藤」とかだったりする例です。


 
 ところが、現在大塚さんのルーツ探しで古文書にたくさん当たっていると、おかしな現象に出くわすのです。

 それが「消えた?”あいつ”」もしくは「勝手に現れた?”あいつ”」こと、そうです。「”てん”」がとにかくミステリーなのです。

 怪盗ルパンか、はたまた二十面相なのか、あるいはセイント・テールでもキャッツ・アイでもいいのですが、とにかく、


 消えた「てん」を追え!


はじまりはじまり!


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  まず、「寛政重修諸家譜」1520巻に記載の手書きの「大塚」について4家並べてみました。

 その画像が、これ!(画像引用 国立国会図書館デジタルライブラリより 一部抜き出し加工)






 当然ながら、これは江戸時代の書物です。筆跡の違いからわかる通り、それぞれ別人が書いています。

 ところが、どうも全部「てん」がないのです。これがどういうことかというと、江戸時代の人にとって「塚」に「てん」が必要だということを、

全然意識していなかった

ということに他なりません。


 これはある意味凄いことで、現代人の我々は「塚にてんが必要だと意識していない」し、江戸時代も「塚にてんが必要だと意識していない」のだとすれば、



 いつどこの誰が「てん」がいるとか抜かしてけつかるんじゃい!


ということになるわけです(笑)


 もうすこし事例を挙げましょう。


 今度は、久留米市立図書館から取り寄せた系譜類です。(御家中略系譜・中小姓略系譜2種類・正徳諸士系譜)





 
 これまた、揃いも揃ってどいつもこいつも「てん」がありません。これでやっぱり、江戸時代の久留米の人たちも塚にてんが必要だと


全く思ってない


ことがわかるわけです。


 さらにひどいことに、わが家系の戸籍そのものを見てみると、



 これまたまた、私の高祖父大塚喜平次の記載ですら、「てん」がついていないのです。

 ★この戸籍は、喜平次の長男のものであるため、当然長男についても


 「てん」はついていない。たぶん筆跡から見て、この2つは同じ人が書いている。



 ここまでくると、私の苗字に「てんがついている」と思っていたのが誤解かなんかじゃないかと思い始めてしまう次第です。


 ところが、これが近代に近づくにつれてヤツは突然現れるのです。


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 まず、これが現在の父の戸籍謄本(正式には除籍されている)と私の戸籍謄本です。



  (画像は線が出やすいように加工しています。)

 これらはコンピュータ上で表現された電子文字であり、そこからレーザープリンタで出力されたものが現在戸籍謄本として用いられています。

 いずれも「てん」があります。


 次は、父の改正原戸籍の画像です。

これは、現在は閉鎖されているものを画像の形で電子化し、それをレーザープリンタで出力するものですが、おそらく原本は金属活字で打たれていると思われます。

  これにも「てん」があります。


 さて、祖父の時代はどうでしょう。これは祖父の代のもので、金属活字で打たれていると考えられるものです。




 少し見えにくいですが、「てん」があるように思われます。

 ところが、おなじ祖父の戸籍であるのに、これの原戸籍となると、突然「てん」が消えるのです。

  「てん」が完全に消えています。これも祖父の戸籍です。違いは手書きであることです。


 ついでに、喜平次の長男についても手書きの戸籍(ただし、戸主を改めた際の新しいもの)が残っているのでそちらも見てみましょう。



 ほら!やっぱり「てん」が消えています!

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 これらのミステリーから、推測できることがあります。


 それは、「活字になってはじめて、人は旧字を意識した」ということです。

 手書きの際は、今の人も昔の人も

「てん」なんて気にしちゃいない

のではないか?!それがおそらく真実に近いと思います。

 というわけで、うちの大塚にてんがあるべきなのか、ないべきなのかは実はよくわかりません(笑)

ただ、正式な字体を考慮すれば、


おそらく「てん」はあってよい


ということだと思うのですが、みなさんも一緒に探ってみてくださいね!







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