2015年4月29日水曜日

<103>「九州の苗字を歩く」を読む ~九州の大塚さんは、やっぱり謎の氏族~

 大塚姓研究ではみなさまお久しぶりです。

 通常の日本全国津々浦々の「苗字・ご先祖さま探し」では、たくさんのご依頼をいただき、勢力的に活動中な大塚某でございます。


 さて、前々から読みたいと思っていたのですが、古い資料ばかり漁っていて、意外にちゃんと読めていなかった


『九州の苗字を歩く 岬茫洋 全5巻』 梓書院

 http://www.azusashoin.com/


を手に取ることができたので、現在まずは「大塚姓」から読み込んでいるところです。


 ところが、やっぱりというか、逆に寂しい思いをしているのですが、この本を持ってしても

「九州の大塚姓」

の詳細は謎に包まれたままであることがわかりました。


 著者の岬茫洋さんは、実際に現地を歩いたり、リアルなその土地土地の苗字分布をリサーチしながら、各苗字についての伝承や推察などを詳細に書かれているのですが、少なくとも、当ブログに上がってきているようなデータが書かれていません。

 なので、ちょっと残念。かつ、やっぱり、九州の大塚姓はマニアックなテーマであるのだと再確認した次第です。


 さて、もちろん「九州の苗字を歩く」の中でも、有意義なデータは上がってきています。

 たとえば、宮崎県編では『宮崎市大塚町』と「大塚姓」の関係について言及されていましたが、これはいわゆる「土持氏系大塚氏」との関連を示すものです。

 
 宮崎県総合博物館にある「田部姓土持氏系図」にある土持新兵衛尉宣栄の項に



「建武二年宮崎大塚蓬莱山ニ居城ス」


とあり、これがいわゆる宮崎市大塚町になります。この場所は、別に「大墓別府」といい、宣栄はこの地の地頭に任命されたようです。


日本人名辞典さんより
https://kotobank.jp/word/%E5%9C%9F%E6%8C%81%E5%AE%A3%E6%A0%84-1092264


 しかし、まあこの話は既出です。ところが、大塚某が食いついたのは、この土持氏が元は田部氏であり、 宇佐八幡宮の祀官四姓(宇佐・大神・田部・漆島)の一つであったことがわかったので、ビビビと来た次第。


 以前、「宇佐宮大楽寺」に大塚氏が出てくる話を書きましたが、この辺りを再調査してみようかな、と思うわけで(^^




 話は戻って「九州の苗字を歩く」についてですが、もう一点、やはり中津にかなりの大塚氏の分布があるようで、これも要チェックです。

 もっとも、これについては官兵衛ちゃんが、豊前中津城に入る前に、この土地が「大塚山」と呼ばれていたので、 この名を持って大塚氏がいたとすれば、ある程度しっくりは来ますね。

(しかし、現在それを裏付ける資料を見つけていません)


==========

 もちろん、それら以外にも、いくつかの大塚姓についてこの本では言及されているんですが、


「少弐系大塚氏」


についての示唆がいっさい無かったので、寂しいったらありゃしない!


 よっぽど不確かな氏族だと思われているのでしょうか(笑)


 こうなったら、大塚某はライフワークとしてとことこん大塚氏族を追いかけますので、ぜひみなさんも情報をお寄せくださいね!



2 件のコメント:

  1. こん~忙しくて未だグーグルに作ってないという^^;

    地元の図書館で大日本古文書を所蔵しているのを最近気づいて(←ぉい)
    閲覧制限2時間だから、出たり入ったりでGWが終わった(爆
    相良家、島津家、阿蘇家、毛利家、吉川家、小早川家、益田家、伊達家、上杉家だったかが収蔵されてるのが全部地元で借りれるという、壮大な灯台下暗しでした^^;

    別室にあるから全く判らんかった,;.:゙:..:;゙:.:: (゚∀゚ゞ)ブハッ!
    とりあえず相良家と島津家を借りたりとか、近代ライブラリで北肥後国衆の龍造寺関連一次史料をコピーしたりとかバタバタしてましたぁ~

    ではでは~

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  2. お疲れ様です~。図書館にいい資料があってよかったですね!

    あ、もしかして国会図書館のデジタル送信資料閲覧もできちゃったりする?!

    (田舎のしょぼい図書館だとできない)

    ネットのデジタルライブラリだと閲覧できなくても、図書館内に送信するやつだと見れる本もあるので、ぜひお試しあれ!

    http://dl.ndl.go.jp/ja/about_soshin.html

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